人材不足時代の『新・応募者対応マニュアル』受け身の対応はNG!積極対応で離脱を防ぐ方法

優秀な人材が不足している今、ただ応募者からの返信を待つだけの対応では、人材の確保はますます難しくなっています。

採用活動の成功には、応募者一人ひとりに対して、積極的に関心を示し、スムーズなコミュニケーションを心がける姿勢が求められます。しかし、多忙な業務の中で応募者対応を徹底するのは容易ではありません。

この記事では、書類選考から面接までのプロセスにおいて、受け身ではなく積極的な対応を意識した「応募者対応マニュアル」をご紹介します。

リマインドのタイミングや効果的なフォローアップの手法など、応募者の関心を引き留める具体的な方法を解説します。

また、弊社では、こうした応募者対応をスムーズに行うための採用支援サービスも提供しております。ぜひ、積極的な対応で離脱を防ぎ、採用成功率を上げるためのヒントを得ていただき、採用活動のパートナーとしてもご検討ください。

独自の採用ロジックで継続的な採用活動の改善を目指し、法人設立から2年で200名以上の採用に貢献してきました。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。

目次

人材不足時代に心がけるべき応募者対応のポイント

  • 採用というゴールを常に意識して対応する
  • 受け身にならず、積極的にリマインドする
  • 営業マンになったつもりで粘る
  • 書類選考の考え方を見直す
  • 応募が少ないなら積極的に面接する

採用市場が厳しさを増す現代において、優秀な人材を確保するためには、応募者対応のあり方がますます重要になっています。

応募者対応をただの業務として終わらせず、企業の魅力を伝え、求職者の関心を引き留めるための積極的なプロセスとして取り組むことで、採用活動を成功へ導けます。

まずは人材不足時代における効果的な応募者対応のポイントを解説します。

採用というゴールを常に意識して対応する

応募者対応の目的は、「採用」というゴールに一歩でも近づけるためです。これを意識していないと応募者に返信したり、日程調整したり、といった作業自体が目的化してしまいます。

採用というゴールを意識していれば、下記のようなことを考えながら業務に取り組めます。

  • 「この応募者は有力候補になりそうだ。早く書類をもらって面接の日程調整をしたいから最優先で進めよう」
  • 「面接担当者に応募書類の確認を依頼したけど、1日経っても返事がない。もう一度リマインドしよう」
  • 「有力な応募者から連絡が返ってこなくなった。こちらが送ったメッセージに気付いていないかもしれない。または忘れているかもしれない。もう一度リマインドしよう」
  • 「有力な応募者が辞退しようとしている。どこが懸念点なのか聞いてみよう。何か調整・提案できることがないか社内で相談してみよう」
  • 「この応募者は、ほかの職種の方が適していると思うから、丁重に一度相談してみよう」

採用というゴールを意識すれば、このような積極的な対応ができるようになります。

採用において「応募者対応」を軽視している企業はまだまだ多いですが、応募者対応は採用の成否を大きく左右する要素です。ぜひ意識的に取り組んでみてください。

受け身にならず、積極的にリマインドする

正確なデータはありませんが、応募者へのリマインドは非常に効果があり、体感として返信率が20〜30%ほど向上します。

しかし、採用担当者の中には「書類が送られてこないから(返信がないから)、その程度の応募者だったのだろう」と早々に見切りをつけてしまうケースも少なくありません。

実際には、応募者が単にメールに気づかなかったり、送信したつもりが未送信だったり、後で送ろうと思っていたのに忙しさで忘れてしまっているケースが多々あります。

特に在職中の求職者にとって、転職活動との両立は負担が大きく、優秀な人ほど他社からのオファーが多いため、一社一社への対応が後回しになりがちです。

だからこそ、対応が少し遅れただけで「見込みがない」と判断するのは非常にもったいないことです。むしろ、途中で離脱してしまいがちな応募者ほど相対的に優秀である可能性が高いと捉え、柔軟な対応を心がけてください。

営業マンになったつもりで粘る

応募者対応において、営業マンのように粘り強く接する姿勢も重要です。

採用活動は、応募者に自社を「売る」活動の一環でもあります。企業側が情熱をもって応募者にアプローチすることで、「この企業は自分に興味を持っている」という印象を強められます。

粘り強く対応することで、応募者の不安や疑問に寄り添い、信頼関係を構築できます。

具体的には、応募者が疑問を抱きやすい点について積極的にフォローアップし、入社意欲を高めるための提案やアドバイスをすることで、最終的に入社の意思を固めてもらうことが可能です。

書類選考の考え方を見直す

採用活動におけるスクリーニングの目的は、応募者の情報から自社の採用基準に適合するかどうかを判断することです。スクリーニングを行うには判断材料が必要であり、書類選考はこの判断材料を集めるための手段と捉えるとよいでしょう。

そのため書類選考で判断がつかない(面接するべきか迷う)場合は、延々と悩むのではなく、情報を積極的に集めることが重要です。

例えば、追加の質問を送ったり、早期に面接を設定して直接確認したりすることで、必要な情報を補えます。このような柔軟な対応により、選考の精度が上がり、より適切な人材を見極められる可能性が高まります。

また、こうした対応は応募者に対して「自分に興味を持ってもらえている」というポジティブな印象を与え、企業への関心も引き上げます。

このシンプルな考え方に基づくスクリーニングが、選考スピードと採用成功率を向上させるカギとなります。

応募が少ないなら積極的に面接する

スクリーニングの一つの目的は、選考の効率を上げることです。応募者が多ければ全員と面接する時間が取れないため、書類選考でふるいにかける必要があります。

しかし、応募が少ない場合には、書類選考段階で厳密にスクリーニングを行うよりも、積極的に面接に進むことが効果的です。

面接を実施することで、求職者についての理解が深まるだけでなく、自社の採用ターゲットを見直すきっかけにもなります。実際に話してみると、「ターゲットとは少し異なるけれど、この人なら活躍してくれるかもしれない」と考えが変わることもあります。

また、採用活動を始めたばかりの企業では、面接担当者が経験を積むことも重要です。

「面接の練習」として捉えるのは応募者に失礼かもしれませんが、実際に場数を踏むことで担当者のスキル向上にもつながります。

応募者が少ない時期こそ、柔軟で積極的な対応を心がけ、面接を通じて自社に合う人材を見極めていく姿勢が大切です。

応募者対応におけるリマインドのタイミングと内容

採用活動においてリマインドを送ることは、離脱を防ぐための重要な要素です。

在職中に転職活動を行う求職者も多く、仕事との両立は想像以上に負担が大きいものです。そのため、書類の送付が遅れてしまったり、うっかり忘れてしまうこともあります。

そういった可能性を考えず、「書類を提出しないなんてその程度の求職者だ」と決めつけてしまう採用担当者はまだまだ多いと感じています。この考え方は今の時代にフィットしないので、もっとフラットな気持ちで積極的にリマインドしてあげましょう。

実際にリマインドから選考が再度動き出し、優秀な人を採用できた事例はあります。

ここでは、リマインドを行うべき主なタイミングと、メッセージの例文を紹介します。

リマインドのタイミング

  • 書類提出を依頼してから2〜3日が経過したタイミング
  • 面接日程の候補日を教えてほしいと依頼してから1〜2日が経過したタイミング
  • 面接前日のタイミング(余裕があれば)

書類提出を依頼してから2〜3日が経過したタイミング

書類提出を依頼してから2〜3日経過しても提出がない場合は、リマインドを行い、提出の確認を促します。

このタイミングでリマインドを行うことで、応募者が書類提出を忘れたり、依頼に気づいていない場合でもスムーズにフォローができます。

下記に例文を載せておきます。

件名:応募書類のご提出について|〇〇株式会社

〇〇様

先日は、〇〇株式会社の求人にご応募いただき、ありがとうございます。応募書類のご提出について、念のためご確認のご連絡を差し上げました。もしすでにお送りいただいている場合は、重複となり申し訳ございません。

書類の提出期限が〇月〇日となっておりますので、ご確認いただけますと幸いです。ご質問やご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

〇〇株式会社 採用担当

面接日程の候補日を教えてほしいと依頼してから1〜2日が経過したタイミング

面接日程の候補日を依頼してから1〜2日が経過した場合、リマインドを送ることで、スムーズな日程調整が可能になります。早めのリマインドにより、面接の準備が整いやすくなります。

件名:面接日程のご確認について|〇〇株式会社

〇〇様

先日は、〇〇株式会社の面接日程についてご連絡いただき、ありがとうございました。ご希望の候補日についてのご返信がまだ確認できておりませんので、念のためリマインドさせていただきました。

ご都合の良い日程をお知らせいただけますと幸いです。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

〇〇株式会社 採用担当

書類選考で5分以上悩んだときに送る追加質問

書類選考の段階で応募者の合否判断に5分以上悩んだ場合、それは判断材料が不足しているサインです。このような場合は、追加質問を送って、応募者の情報をさらに引き出すことも一つの有効な手段です。

ただ、「どんな質問をすれば良いか分からない」と感じる方も多いかと思います。まずは追加質問を考えるためのステップをお伝えします。

STEP
該当求人の募集要項や必須要件を再確認

まず、募集要項や必須スキル・経験を再確認しましょう。この確認を通じて、どのスキルや経験が特に求められているのかを明確にします。これにより、判断が難しい応募者に対して、具体的にどの部分を掘り下げるべきかが見えてきます。

STEP
求職者の経歴書を見てどこが懸念点なのかリストアップ

次に、応募者の経歴書を詳細に見直し、スキルや経験に足りないと感じる点や、より詳しく知りたい部分をリストアップします。たとえば、プロジェクト経験や成果が曖昧な場合、その点について確認することで、判断に必要な情報を補えます。

STEP
質問内容を考えて文章化する

最後に、リストアップした懸念点をもとに質問内容を考え、応募者が答えやすい形で文章化します。以下に具体例を挙げます。

エピソード例:営業職の応募者に対する追加質問を考える

STEP
該当求人の募集要項や必須要件を再確認

求人票には「営業経験3年以上、顧客との関係構築能力が必須」と明記されています。この要件を満たすために、応募者がどのように顧客との関係を構築し、営業成績を上げたのかを具体的に確認する必要があります。

STEP
求職者の経歴書を見て懸念点をリストアップ

応募者の経歴には「営業成績が前年比120%」と記載されていますが、具体的にどのようなアプローチで成績を上げたかが明記されていません。このため、営業活動における工夫や戦略について詳しく知る必要があると判断しました。

STEP
質問内容を考えて文章化する

リストアップした懸念点をもとに、応募者が答えやすい形で質問を文章化します。以下が具体例です。

「営業成績を前年比120%に伸ばされたとのことですが、どのような方法や工夫を行ったのか、具体的に教えていただけますか?」

「顧客との関係構築において工夫した点や、特に効果があったアプローチ方法があれば、具体的なエピソードを交えて教えてください。」

このような質問を通じて、応募者の営業力や顧客対応のスタイルを把握でき、採用基準に合致するかをより正確に判断できるようになります。

エピソード例:ITエンジニア職の応募者に対する追加質問を考える

STEP
該当求人の募集要項や必須要件を再確認

ITエンジニア職の求人には「プロジェクト管理経験が必須」と記載されています。採用基準に合致するプロジェクト管理スキルや実績を持っているかどうか、応募者の具体的な経験について確認する必要があると判断しました。

STEP
求職者の経歴書を見て懸念点をリストアップ

応募者の経歴には「プロジェクトリーダー経験あり」とありますが、具体的な管理スキルやプロジェクトの規模(チーム人数、期間、予算など)についての詳細が不明です。そのため、プロジェクト管理の実績や進行方法、規模感をさらに深く理解するための質問が必要です。

STEP
質問内容を考えて文章化する

リストアップした懸念点をもとに、応募者が答えやすい形で質問を文章化します。以下が具体例です。

「プロジェクトリーダーとして複数のプロジェクトを管理されたとのことですが、具体的なプロジェクトの規模(チーム人数、期間、予算など)について教えていただけますか?」

「特に難しかったプロジェクトにおいて、目標設定や進行管理で工夫した点があれば、どのような取り組みをされたか、またその結果についても詳しくお聞かせください。」

このような質問を通じて、応募者が持つプロジェクト管理スキルや実際のリーダーシップをより明確に把握でき、採用基準とのマッチ度合いをより的確に判断できます。

応募者対応で電話を利用するのはどんなとき?メールとの使い分けは?

応募者対応で電話を使うケースは近年少なくなりつつありますが、特定の場面では電話の即時性や直接の意思疎通が有効です。ここでは、特に電話での対応が効果的なシーンと、メールとの使い分けについて解説します。

電話を利用するケースの例

  • 急な事情で面接の日程変更が必要な場合
  • 面接における緊急時の重要な連絡
  • 選考終盤で応募者を直接口説くとき
  • 選考終盤で不採用にする場合

急な事情で面接の日程変更が必要な場合

採用担当者

お世話になっております。〇〇株式会社の採用担当、△△です。〇〇様の携帯電話でよろしいでしょうか?

求職者

はい、〇〇です。

採用担当者

じつは面接の日程について変更が必要になりまして、急なご連絡となり申し訳ありません。〇月〇日の面接を、可能であれば〇月〇日に変更させていただきたく、ご相談のためお電話いたしました。

求職者

承知しました。〇月〇日で問題ありません。

採用担当者

調整ありがとうございます。では、〇月〇日の〇時からとさせていただきます。場所は同じくオンライン(もしくは〇〇オフィス)になります。詳細はメールでも改めてお送りいたしますのでご確認お願いいたします。

オンライン面接当日に応募者が現れない場合

採用担当者

お世話になっております。〇〇株式会社の採用担当、△△です。〇〇様の携帯電話でよろしいでしょうか?

求職者

はい、〇〇です。すみません、面接の時間を勘違いしておりました(または、接続の問題が発生しました)。

採用担当者

いえ、お忙しいところありがとうございます。面接開始時間になってもご参加が確認できなかったので、念のためお電話させていただきました。今、面接用のリンクを再送いたしますので、そちらからご参加いただけますでしょうか?

求職者

すみません、ご手数をおかけします。リンクを確認してすぐに接続します。

採用担当者

ありがとうございます。準備が整いましたら、ゆっくりご参加ください。もし何か接続に関してご不明な点があればお知らせください。

選考終盤で応募者を直接口説くとき

採用担当者

お世話になっております。〇〇株式会社の採用担当、△△です。〇〇様、今お時間よろしいでしょうか?

求職者

はい、大丈夫です。

採用担当者

ありがとうございます。実は最終選考まで進んでいただき、改めてお電話で少しお話しさせていただきたく思い、ご連絡いたしました。〇〇様のこれまでのご経験やスキルが当社にとてもマッチしていると感じております。

求職者

そう言っていただけて、光栄です。

採用担当者

ありがとうございます。〇〇様が持っていらっしゃる〇〇(特定のスキルや経験)について、じつは当社の新しいプロジェクトで特に必要とされています。〇〇様のようにその分野で実績のある方が入っていただければ、プロジェクトがさらに成長し、新たな市場開拓にも繋がると確信しています。

求職者

そうなんですね。それは興味深いです。

採用担当者

ぜひ〇〇様の力をお借りしたいと、チーム全員が感じております。また、〇〇様のキャリアにおいても、〇〇プロジェクトを通じてさらに成長いただける機会が多いと考えています。特に、当社は〇〇(特徴的な働き方やキャリアサポート制度)を重視しており、〇〇様のキャリアプランに合ったサポートを提供していきたいと考えています。

求職者

ありがとうございます。キャリアサポートについても、とても魅力を感じています。

採用担当者

そうおっしゃっていただけると嬉しいです。〇〇様のような優秀な方とぜひ一緒に働きたいと考えておりますので、もしご不明な点や気になることがあれば、何でもお伺いします。〇〇様が安心してご判断いただけるように、私どももサポートさせていただきます。

求職者

ありがとうございます。前向きに検討させていただきます。

採用担当者

ありがとうございます!ご入社いただけることを楽しみにしております。今後について何かございましたら、どうぞ遠慮なくご連絡ください。

選考終盤で不採用を伝える場合

採用担当者

お世話になっております。〇〇株式会社の採用担当、△△です。〇〇様、今お時間よろしいでしょうか?

求職者

はい、大丈夫です。

採用担当者

ありがとうございます。今回は、採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。〇〇様のスキルやご経験をしっかりと拝見させていただきましたが、今回は残念ながら他の方を採用させていただく運びとなりました。

求職者

そうですか…わかりました。

採用担当者

〇〇様には選考の過程で多くのご協力をいただき、感謝しております。また、今後別の機会がありましたら、ぜひご連絡させていただきたいと考えております。本当にありがとうございました。

求職者

こちらこそ、ありがとうございました。またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。

緊急or重要ではないものはメールで対応しよう

面接の緊急時や参考に関する重要な連絡でない限り、応募者への対応は基本的にメールで行いましょう。

メールは応募者が自分のタイミングで確認でき、記録が残るため、日程調整や提出物の依頼などに最適です。

例えば、面接日時の候補リストや合否通知など、応募者が後から見返せる内容はメールで送ると、相手にとっても負担が少なくなります。

必要な場面で電話を使いつつ、それ以外はメールを活用することで、応募者にとって快適で配慮のある対応が可能になります。

まとめ

応募者対応は、単に情報を伝えるだけでなく、応募者に「この会社で働きたい」と感じてもらうための重要なコミュニケーションの場です。採用というゴールを意識し、適切なタイミングでリマインドやフォローアップを行い、応募者の関心を引き留める対応を心がけることで、離脱を防ぎ、優秀な人材を確保する可能性が高まります。

電話やメールを状況に応じて使い分け、必要に応じて関心と誠意を伝えることが大切です。特に、最終選考まで進んだ応募者には、企業の魅力やキャリアサポートを直接伝えることで、入社意欲をさらに高めることができます。

応募者対応は採用成功に向けた重要なプロセスの一部です。弊社では、こうした積極的な応募者対応のサポートも行っており、より良い結果を導き出すためのお手伝いをしています。応募者との信頼関係を築きながら、企業の魅力を伝え、採用活動を成功に導くためのご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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